One year left -家族ごっこ-
夕紗が口元を抑え、絶句したまま私と碧くんを交互に見つめている。


これ以上、この爆弾を落とされてはたまらない。


私は彼の手首を掴み、思いきり引っ張って自転車を奪い返した。


「乗って」


拒絶を許さない声で命じる。


碧くんをサドルへ無理やり押し込み、私は流れるように後ろの荷台へ飛び乗った。


「三人とも、ごめん。明日、ちゃんと説明する」 


呆然と立ち尽くす夕紗たちにそれだけ告げ、彼の広い背中に向かって声を絞り出す。


「……早く動かして」


「また、俺が漕ぐの?」


「いいから、早く」


私は彼のカーディガン越しに、引き締まった硬い脇腹を強くつねった。
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