アングレカム-Angraecum Leonis-

第十二話2人で食べるご飯の美味しさたるや否や




 約二時間程経った頃に映画は終わり、りゅうのすけとさくらは外へと出てきていた。

 二人して面白かったと感想を言いながらこの後どうするかを話している。

 りゅうのすけはどうせ家に帰ってもする事がゲームくらいしかなかったのでまだ帰りたくはなかった。

「飯でも食ってく?」

「え……? う、うん! いいよ!」

 さくらは満面の笑みでそう返す。
 すんなりとOKを貰った事にりゅうのすけは一瞬戸惑う。
 二人は集合場所であったフードコートへと戻る。
 無意識のうちにまだ一緒に居たいという気持ちが心の中にあったのか、りゅうのすけはまださくらと話せる事が嬉しく思っていた。

「とりあえず何食おうかな」

 さくら「そうやね〜〜。なんでもいいんやけどなぁ〜!ここのフードコートなんでもあるから悩む〜!」

「俺もなんでもいいよ? さくちゃんの食いたいもんに合わせる。なにがいい?」

「んー! えー! そうだなぁ、何にしようかな!」

 悩んだ末さくらとりゅうのすけは最近クラスの中でも話題になっていたステーキ屋に入った。
 二人して同じメニューを注文し、届くまでの間水を少し飲みながら談笑をしていた。

「ここ、最近出来たんやって」

「みたいやな。普通に内装綺麗やし」

「みんな美味しいって言ってて行ってみたいって思ってたんよね」

「そういや、ひろあきとかが美味いって言ってたな」

「ひろあきくんずるい。先に来てるなんて」

「なんでやねん。
つーかまだ食った事ねえやつおるやろ」

「ふふ、やね。はぁー、楽しみだな」

「やな。ステーキにしては値段も手頃やし、高校生の俺らには助かるわ」

「ほんとにね!」

 適当に話していると早速メニューが届く。熱い鉄板の上に置かれたステーキは焼き音と共に香ばしい香りを連れてやって来る。

 二人の前にステーキは置かれ、ソースの説明をされ、店員はそのままキッチンへと戻って行く。

 さくらはトマトソース、りゅうのすけはガーリックソースをかけて更なる香りを楽しむ。

「ん〜〜! いい香り。美味しそう。いただきます」

「いただきます」

 ステーキをナイフで切り、一口サイズにして口に含む。ステーキは切られると肉汁を出し、更に辺りにジュゥ〜という焼き音が響く。

 二人は食事を楽しみながら映画の感想の話や、学校の話、それに花火大会の話に花を咲かせていた。

 りゅうのすけは水を飲み、また一口サイズのステーキを食べる。
 美味いと思いながら、丁寧に噛み、呑み込む。

 そして、さくらと一緒に話しながら食べているという事にステーキの美味しさは更に倍増していたのかもしれない。

 肉の焼き音と香ばしい香りと二人の会話が弾むこの空間に誰も踏み入る事など出来やしないだろう。

 さくらは一口一口食べる事に猛烈な幸せそうな表情を浮かべる。
 その顔を見たりゅうのすけも同時に幸せに感じている。

 自分のこの感情はなんなのかは全く分からない。ただ、この子と一緒に居るという事が幸せで、かつ楽しい事は分かる。

 実はりゅうのすけは朝起きた時からずっとさくらにLINEを送る事だけを考えていた。
 内容を考えたり、断られたらどうしようとか。

 結果的に午後三時頃に決心を決め、送信したLINEは速攻で返信が来て、映画に行く事になり、今こうやって二人で楽しくご飯を食べている。

 正直返信が来るなんて思いもしなかったので、映画に行くのも適当に決めた事で、今日観たスパイダーマンの映画も前にひろあきと一緒に既に観た映画だった事はりゅうのすけの中だけの秘密だ。

 学校でも一番と言える程にモテるりゅうのすけ。今まで色んな女の子に声を掛けられ、遊んだ事は何度かあった。
 しかし、どんな女の子と遊んでも何も感じる事は無かった。

 楽しいとは思う。ただ一方的に向けられた想いにりゅうのすけは答える事が出来なかったのかも知れない。

 好きだと言われても、今までイマイチピンと来なかった。
 りゅうのすけ本人今この瞬間に抱いている感情の答えは分かっていない。

 ただ。ただ一つだけ。

 今自分はとてつもなく幸せで楽しい時間を過ごせているという事だけ、それだけを理解して今を過ごしていた。

 さくら本人は肉の美味しさに酔い痴れていた。
第一章夏の日常編第十二話2人で食べるご飯の美味しさたるや否や


 約二時間程経った頃に映画は終わり、りゅうのすけとさくらは外へと出てきていた。

 二人して面白かったと感想を言いながらこの後どうするかを話している。

 りゅうのすけはどうせ家に帰ってもする事がゲームくらいしかなかったのでまだ帰りたくはなかった。

「飯でも食ってく?」

「え……? う、うん! いいよ!」

 さくらは満面の笑みでそう返す。
 すんなりとOKを貰った事にりゅうのすけは一瞬戸惑う。
 二人は集合場所であったフードコートへと戻る。
 無意識のうちにまだ一緒に居たいという気持ちが心の中にあったのか、りゅうのすけはまださくらと話せる事が嬉しく思っていた。

「とりあえず何食おうかな」

 さくら「そうやね〜〜。なんでもいいんやけどなぁ〜!ここのフードコートなんでもあるから悩む〜!」

「俺もなんでもいいよ? さくちゃんの食いたいもんに合わせる。なにがいい?」

「んー! えー! そうだなぁ、何にしようかな!」

 悩んだ末さくらとりゅうのすけは最近クラスの中でも話題になっていたステーキ屋に入った。
 二人して同じメニューを注文し、届くまでの間水を少し飲みながら談笑をしていた。

「ここ、最近出来たんやって」

「みたいやな。普通に内装綺麗やし」

「みんな美味しいって言ってて行ってみたいって思ってたんよね」

「そういや、ひろあきとかが美味いって言ってたな」

「ひろあきくんずるい。先に来てるなんて」

「なんでやねん。
つーかまだ食った事ねえやつおるやろ」

「ふふ、やね。はぁー、楽しみだな」

「やな。ステーキにしては値段も手頃やし、高校生の俺らには助かるわ」

「ほんとにね!」

 適当に話していると早速メニューが届く。熱い鉄板の上に置かれたステーキは焼き音と共に香ばしい香りを連れてやって来る。

 二人の前にステーキは置かれ、ソースの説明をされ、店員はそのままキッチンへと戻って行く。

 さくらはトマトソース、りゅうのすけはガーリックソースをかけて更なる香りを楽しむ。

「ん〜〜! いい香り。美味しそう。いただきます」

「いただきます」

 ステーキをナイフで切り、一口サイズにして口に含む。ステーキは切られると肉汁を出し、更に辺りにジュゥ〜という焼き音が響く。

 二人は食事を楽しみながら映画の感想の話や、学校の話、それに花火大会の話に花を咲かせていた。

 りゅうのすけは水を飲み、また一口サイズのステーキを食べる。
 美味いと思いながら、丁寧に噛み、呑み込む。

 そして、さくらと一緒に話しながら食べているという事にステーキの美味しさは更に倍増していたのかもしれない。

 肉の焼き音と香ばしい香りと二人の会話が弾むこの空間に誰も踏み入る事など出来やしないだろう。

 さくらは一口一口食べる事に猛烈な幸せそうな表情を浮かべる。
 その顔を見たりゅうのすけも同時に幸せに感じている。

 自分のこの感情はなんなのかは全く分からない。ただ、この子と一緒に居るという事が幸せで、かつ楽しい事は分かる。

 実はりゅうのすけは朝起きた時からずっとさくらにLINEを送る事だけを考えていた。
 内容を考えたり、断られたらどうしようとか。

 結果的に午後三時頃に決心を決め、送信したLINEは速攻で返信が来て、映画に行く事になり、今こうやって二人で楽しくご飯を食べている。

 正直返信が来るなんて思いもしなかったので、映画に行くのも適当に決めた事で、今日観たスパイダーマンの映画も前にひろあきと一緒に既に観た映画だった事はりゅうのすけの中だけの秘密だ。

 学校でも一番と言える程にモテるりゅうのすけ。今まで色んな女の子に声を掛けられ、遊んだ事は何度かあった。
 しかし、どんな女の子と遊んでも何も感じる事は無かった。

 楽しいとは思う。ただ一方的に向けられた想いにりゅうのすけは答える事が出来なかったのかも知れない。

 好きだと言われても、今までイマイチピンと来なかった。
 りゅうのすけ本人今この瞬間に抱いている感情の答えは分かっていない。

 ただ。ただ一つだけ。

 今自分はとてつもなく幸せで楽しい時間を過ごせているという事だけ、それだけを理解して今を過ごしていた。

 さくら本人は肉の美味しさに酔い痴れていた。
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