アングレカム-Angraecum Leonis-

第五話花火大会前日〈男子3人の休日前編〉




 昼過ぎに起きたりゅうのすけは寝ぼけた顔をしながらスマホを見た。LINEで不在着信があり、その不在着信の相手に電話を掛けた。

「……んん……あぁ……ゔんっ……あ、もしもし……どうしたのかずきくん……」

『もしもし。りゅうくん。お前今起きたろ』

「うん、おはよ。かずきくんのラブコールで起きた」

『はいはい。お前今日たいちくんと映画行くって言ってたの忘れてるだろ』

「あれ、それって今日だっけ……あれ今日って何日……」

『8月13日だよ』

「あ、うわ。やべ。昨日夜中までゲームしてて寝るの遅かったんだ。マジごめん。今すぐ行くわ!」

『おう、気をつけてな』

 電話を切り、りゅうのすけは急いで洗面所に行き、顔を洗い、髪の毛をセットする。

 即座に歯磨きを終わらせ、服を着替えてりゅうのすけは財布やモバイルバッテリーなどをショルダーバッグに詰め込み、ポケットにスマホを入れて急いで靴を履いて扉を開け、鍵を閉めた。

 めちゃくちゃに全力で、ショッピングモールへと向かって突っ走る。
 早く行かないと。遅刻とかの前に寝坊してしまったことが何よりも申し訳ない。

 普段は絶対に見せない全力を誰に見せる訳でもなく出してりゅうのすけは走った。

 若干坂道になっている道も全力で駆け登る。あの曲がり角を曲がれば後はショッピングモールまでの道はまっすぐに続く一本道になっている。

 そうして息が切れる程に疲れ、汗を大量に流しながらりゅうのすけはショッピングモールへ辿り着いた。

「はぁっ! はぁっ! はぁっ! はぁ! ゼェゼェ……ハーァッ!!」

 ゆっくりとショッピングモールの中へと入り、入口付近にあるエスカレーター近くにある自動販売機にてポカリを購入して、そのまま自動販売機の目の前にあったベンチ型ソファに鎮座し、体力の回復を図る。

 カバンの中からタオルを出して、大量に流れる汗を拭いとりながら、ポカリを飲む。

「ングッングッ! ングッングッ! プハァーッ! はぁはぁ……」

 そうして十分後。汗も体力的にも、落ち着いた頃にかずきとたいちの待つ映画館へと歩く。

 五分もした頃に辿り着き、りゅうのすけはかずきとたいちに全力で平謝りをして、かずきにまだ映画の時間に少し余裕がある事を告げられ少し安堵する。

「よかったぁ。俺のせいで映画の時間ズレて迷惑かけるとこだったよ……」

「結構時間の余裕がある時に電話かけたからな。流石かずきやで」

「まぁ、一本逃すくらいなんの問題もないっちゃないんだけどな。出来れば事前に決めてた時間に見たいだろ?」

「さっすがかずきくん! 惚れ直しそう!」

「はいはい。とりあえずさっき言った通りまだ少し時間あるし、飲み物とか買っとこうぜ」

「おっけい! 劇場の飲み物を買うか、スーパーで買うかどっちにする?」

「俺お茶が良いからスーパーかな。」

「俺もMonster飲みたいからスーパーで」

 そうして3人はショッピングモールのスーパーまで歩き向かい、各々の買い物を済ませて行く。
 
「劇場のポップコーン買うよりスーパーで買った方が良くない?」

「確かに安いけど、袋がガサガサ音立てて周りに迷惑だよ」
 
「そりゃそうか」

 りゅうのすけの正論にたいちは納得して、ポップコーンを商品棚に直す。
 各々の買い物は終え、映画館へと戻り時間を確認してそろそろという事で劇場へと足を運ぶ。
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