アングレカム-Angraecum Leonis-
第九話花火大会1日目〈まきとあきせ〉
まきとあきせは公園から出て2人組みになってそのまま祭へと向かう最中にまきが「お腹が減った」と言うので何かしら食べ物の売っている屋台を探す。
「まきちゃんはなんか食べたいものある?」
「はしまき食べたい!」
「いいねえ。ここら辺にあるかな……っと」
河川敷の上から適当に辺りを見渡し、はしまきの屋台を探す。しかし見当たらない。
とりあえず2人は下に降りてはしまきの屋台を探しながら、見つけた唐揚げやタコ焼きを適当に購入し、それを食べながら歩く。
「唐揚げのソースがなかなかに美味い」
「まきちゃん、チリソースやっけ? 俺のレモンソースも定番って感じやけど美味いで」
「一個ちょーだい!」
まきはそう言いながら、自分の唐揚げカップの中の唐揚げを刺す役割をしていた串を抜き、それであきせの唐揚げを勝手に一つ貰い、平らげる。
幸せそうにたべるその様を見たらあきせは勝手に盗られたという事実がどうでも良くなり、呆気にとられたまま、また一つ自分の唐揚げを一つ食べる。
まきがあきせの方にカップを向け、「うちのも一つ食べて良いよ」と差し出してきたのであきせは1番上にあった唐揚げを自分の串を刺してすくい取る様にチリソースの唐揚げを貰う。
それを一口で食べて唐揚げの衣と鶏肉とチリソースの相性にビックリして手を抑えながら「うまっ!」と目を見開き、軽く叫ぶように言う。
まきはニヤニヤしながら「そうやろ? そうやろ?」と自分のチリソースを選んだセンスにドヤ顔をする。
あきせは「うん美味い!」と言い、モグモグと唐揚げを食べる。
すぐに食べ終えた唐揚げの次に二人はタコ焼きを食べながらなかなか見つからないはしまきの屋台を再び探す。
探している最中に、ゴミ箱を見つけ、二人はタコ焼きを食べ終え、持っていた唐揚げのカップとタコ焼きのパックを捨てた。
「まぁ、こんだけ屋台あればどっかにはしまきの屋台あるでしょ」
「せやな。色々屋台を楽しみつつ探そうや」
「うん! そうしようそうしよう!」
二人はそのまま歩きながら、見つけた屋台でやりたいものは徹底としてやって行った。
射的をして、あきせがぬいぐるみを落とし、それをまきに与える。
「ぬいぐるみ可愛い」
くじ引きをしてまきの引き当てた剣のオモチャで2人は笑い合う。
「やっぱりSwitch当たらんなぁ」
「まあな。こう言うのは簡単には当たらんって」
そう言ってあきせが引き当て、2人は目を丸くしてクジを何度も見返した。
「え? え? 嘘やろ!?」
「えぇ!? すごぉ!!」
Switchを受け取り、感極まりながらその話題をしながらまた歩き出す。
途中自動販売機で飲み物を買い、二人はそれを飲みながらまたはしまきの屋台を探す。
「はしまき見つからんなあ」
「もっと奥の方なんかな?」
Switchの事よりもはしまき。今日はなんとしてでもはしまきを食べる。
まきはそう心に決めている。
Switchを当てたという衝撃で正直少し忘れかけていたがまきの心は揺るがなかった。
はしまきの屋台はどこだ。その一心だけだ。
そうしてようやく見つけたはしまきの屋台は、公園からの入り口よりかなり離れた場所に位置していた。
そりゃあすぐには見つからんわな。そう二人で言って笑う。はしまきを購入して、二人仲良くはしまきを食べた。