この恋、予定外。
途中で一度だけ横を見ると、高橋さんは何も言わずに棚を見ていた。
それでも、会話の芯はぶれていない。
最初に感じた距離はほとんどなくなっていた。

さっきまで言葉を選んでいたはずなのに、途中からは自然に返せていたことに、少しだけ遅れて気づく。


思った以上に盛り上がり、話もまとまり、次回の約束も取りつけた。

「では来週、また来ます!よろしくお願いします」

私はぺこりと頭を下げて、会釈する高橋さんとともにお店をあとにした。


外に出ると、少しだけ風が涼しくなっている。
そして視界に入る─────夕暮れ。


「次で、最後ですね」

「…次、どこ」

「また飛びます」

「マジかよ」

だから今日はあちこちなんですよ!と彼に資料を広げて見せると、うんざりしたような顔をしていた。




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