この恋、予定外。
けれど、流れは止まらない。
私はバッグからタブレットを開いた。
ささっと指を滑らせて、高橋さんと一緒に覗き込む。

「じゃあ、LastFitをこのラインで出すなら」

自然に言葉が続く。

「仕上がりを寄せるより、“分かりやすさ”を前に出した方がいいかもしれないです。“ちゃんときれいになる”っていう安心の方が、選びやすい気がします」

言い終えてから、少しだけ息をつく。

「それが夕方まで続くって分かったら、みんな手に取りますよ」

「…まあ、その方が早いな」


高橋さんのその言葉のあと、私はふと彼を見上げた。

「あの、いつもらえるんです?」

「なにが」

「試作08」

いつまで待っても、ちっとも動かないLastFitの試作。
ずーっと待っていたのに、まさかの返答。

「あー、あれな。09まで行ってる」

「えっ!!」

「言ってなかったっけ」

「聞いてないですよぉ」


もうタブレットは閉じてしまった。
高橋さんと一緒にお店に挨拶して、いったん外へ出る。

ショッピングモールを出ても、人通りは多かった。

「私、ずっと待ってたんですけど。試したいです!」

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