この恋、予定外。
••┈┈┈┈••

フロアの照明が、少しだけ落ち着いた色に変わっている。時計を見ると、定時まではあと少し。
人の気配も、朝よりだいぶ静かだ。

タブレットを手に取って、私は席を立った。


「……よし」

小さく気合いを入れる。


仕事だ。
ただのフィードバック。それだけ。
そんなことを言い聞かせながら、そっと馴染みのないエリアへ向かう。

開発部のフロアは、営業部とは空気がまったく違う。
人の声が少ない。
その代わりに、小さな機械音が一定のリズムで流れているのが聞こえる。

奥に進むと、ガラスで区切られた一角が見えた。
扉の横に、小さく「研究室」と書かれている。

軽くノックをして、中に入る。

─────白い。
思っていたよりもずっと、整っている空間だった。


長い作業台の上には、透明なビーカーや小さな容器が並んでいる。
ラベルの貼られた試作品。番号だけが書かれているものも多い。

奥では、見慣れない機械が低く音を立てている。
液体を撹拌しているのか、一定のリズムで動いていた。
なんとなく、いつもと違う匂いがする。

思わず一歩、足を止める。
営業のフロアとは、まるで別の場所みたいだった。
完全に、場違い感が出ている。


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