この恋、予定外。
「森川?」

ふと名前を呼ばれて、顔を上げる。
奥の作業台の前。
白衣姿の高橋さんが、こちらを見ていた。

「……えっ」

驚いて、そこから言葉が出ない。

いつものスーツじゃない。
白衣の下はシンプルなTシャツで、腕まくりをしている。
無駄のない動きで、手元の作業を止めたところだった。

私の視線がいつもと違うからか、彼は不満げに首をかしげていた。

「なんだよ」

「いや…」

まっすぐ見られなくて、視線を逸らす。

「高橋さん、こういうところではちゃんとしてるな、って」

「は?」

軽く眉をひそめられてしまった。
たしかに、失礼極まりない発言だったかもしれない。急いで言い直す。

「外で見るときと全然違うんで」

「そりゃそうだろ、こっちが本職だから」

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