この恋、予定外。
考えない、と思っていると無理やり思い出させてくるこのタイミングで。

「森川」
と私を呼ぶ声。

…ああ、ほんとに、そういう人だ。


もうすっかり聞き慣れた私の名前を呼ぶ声。
そこに立っていたのは、見慣れたスーツ姿だった。

朝の光の中で見るその顔は、いつもと同じはずなのに、ほんの少しだけ違って見える。
理由は分かっている。
分かっているけど、考えないようにしていた。

「高橋さん、おはようございます」

「おはよ」

高橋さんは挨拶なんてそこそこに、たぶん私のパソコンの画面が気になったらしい。
さっと来て画面を見ていた。

「昨日の、まとめてたのか?」

いきなり本題。
…もはや、拍手の領域。こっちの気持ちは知ってるくせに。

一瞬だけ呆れて、それでも口はすぐに動く。

「え、あ、はい。一応」

画面を少しだけ動かす。
見せるつもりはなかったのに、なぜかそうしてしまった。

視線が落ちる。ほんの数秒。
それだけなのに、ちゃんと見ているのが分かる。

「あとで俺のパソコンに送って」

「分かりました」

業務連絡みたいな会話。


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