この恋、予定外。
「でも、軽さだけだと弱くないですか?」

今度はデザイン部の社員が口を挟む。

「パッケージまで軽く見えすぎると、“頼りない”印象にもなりそうです」

たしかに、と思う。
軽い、という言葉は魅力になる。
でも、言い方を間違えれば“物足りない”にも聞こえてしまう。

私は手元の資料に視線を落としながら、口を開いた。

「“軽い”だけで押すと、たぶん弱いです」


全員の視線が集まる。
少しだけ緊張するけれど、そのまま続ける。

「でも、“整う”まで入ると、たぶん印象が変わります。隠すほどじゃないけど、何もしてない感じにもならない。そのちょうど中間を求めてる人って、けっこう多いと思うんです」

「中間、ね」

マーケ部が繰り返す。

「はい。朝、急いでる時でも手に取りやすくて、でも夕方に鏡を見た時にがっかりしない。そこがこのLastFitの良さかなと」

言い終えてから、ほんの一瞬だけ間があく。

「……朝の使用感は、強いと思います」


ふとここに落ちてきたのは、高橋さんの声だった。
私は思わずそちらを見る。

< 161 / 180 >

この作品をシェア

pagetop