この恋、予定外。
ふと、少し間が空いた。

なんだろう、と私が首をかしげると、瑞希さんがなんとなく言い淀んで、呼吸を整えるみたいにグラスを置く。

「茉央が驚くこと、言っていい?」

「はい?」

焼き鳥に手をかけて、口に入れかけたところで聞き返した。
瑞希さんが頬杖をつく。

「高橋ね、片思いしてたんだよ。ずーっと」

私は一瞬止まった。焼き鳥をくわえたまま。


「─────え?」


唐突な話に、頭がついていけない。

「片思い、とは?」

「ガチの話だよ、茉央」

わりと真剣な表情をしている瑞希さんに、はっとさせられる。

「相手は誰ですか?瑞希さんが知ってるってことは、社内?」

「うん。同期の間ではそこそこみんな知ってる話」

正直、驚いた。
高橋さんに“片思い”というワードが出てくるとは思わなかった。
急にその言葉がパワーワードと化する。

「商品開発部の西野さん、って知らない?」

くわえていた焼き鳥をやっと咀嚼していると、瑞希さんに尋ねられた。

「うーん、誰だろう。知らないですね」

「半年前…いやもっと前か。東央とうちから共同でアーバンシールドって保湿ジェルが出たの覚えてない?」

「あっ、それはもちろん知ってます。シリーズ化したやつ!」

「その担当者の子」


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