この恋、予定外。
••┈┈┈┈••

赤い看板の牛丼屋に入ると、店内は昼前だというのにほとんど席が埋まっていた。

かろうじて空いていたカウンター席に並んで座る。


「注文どうぞー!」
と、店員の声が飛んできた。

高橋さんはメニューを見もせず言う。

「牛丼大盛り、豚汁変更で」

私もその横で、即答した。

「私も牛丼大盛り、つゆだくで!」

いつも通りの注文を言っただけなのに、高橋さんの動きがぴたりと止まった。
私はなにかあったのかと首をかしげる。

「……?」

目が合った、次の瞬間。

ふっ、と彼の声が漏れた。

「……ははっ」

私は固まった。

今、この人。
─────笑った?

しかも歯、見えてる。
この人、笑うんだ。


私は思わずまじまじと顔を見た。

「え?な、なんですか?」

こんな小さなことで笑われると思っていなくて、眉を寄せる。
高橋さんはまだ少し笑っている。

「迷わず大盛りなんだな」

私はむっとした。

「外回りってね、体力使うんですよ」

「ふぅん」

それだけ言って、水を飲む。
でも口元がまだ少し緩んでいる。


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