この恋、予定外。
••┈┈┈┈••

営業から戻ると、会社のロビーはまだ人が行き来していた。

私はバッグを肩から外しながら、ふうっと息を吐く。

「はぁー。歩きましたね」

「営業だからな」

高橋さんも慣れない外回りに疲れたのか、いつもに増してだるそうにぼそっとつぶやく。


このあとも、事務所でやることはたくさんある。

気合いを入れ直した時、

「高橋?」

という、女性の声。

高橋さんと一緒に振り向く。
そこに立っていたのは、小柄な女性だった。


色白で、すっとした雰囲気。
そして左手の薬指には、細いリングが光っている。

…綺麗な人だな。
ひと目で、なんとなく印象に残るような。


「なんか、久しぶりな気がする」

声をかけてきた彼女がふわりと笑う。

高橋さんは特に驚いた様子もなく答えた。

「おつかれ、西野」


私は心の中で固まる。

……“西野”?

もしかして、この人は。
瑞希さんが言っていた─────


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