この恋、予定外。
仕方なく彼が座るベンチの隣のベンチに腰を下ろして、ペットボトルの水を飲んだ。

「…いつから見てたんですか?」

「んー、途中から」

あっさり言う。
この人、本当に悪びれない。

高橋さんはちらりと私を一度だけ上から下まで見た。

「ずいぶん速いんだな、足」

「ランニングですから」

「へえ」

その「へえ」がなんだか引っかかる。
でもこの人の言動をいちいち気にしていたらキリがない。

「高橋さんも今度、一緒にどうです?朝ラン。頭すっきりしますよ!」

思いついたことを言っただけなのに、彼は

「やらない」

と即答だった。散歩でじゅうぶん、とでも言いたげな。

「それにしても、全然違うもんだな」

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