この恋、予定外。
••┈┈┈┈••

自動ドアが開くと、店内に流れていた軽いBGMと、薬品の匂いがふっと混ざった。


「こんにちはー!」

私が声をかけると、レジ奥で伝票を見ていた店長が顔を上げた。

「あっ、森川さん!どうもねー!」

にこにことした丸顔のおじさん店長だ。
私は軽く頭を下げる。

「いつもお世話になってます。朝比奈です」

「いやいや、こちらこそ。今日は一人じゃないんだね?」

店長の視線が、私の後ろに向く。
やっぱり誰でも気になる、いつもはいない彼の存在。

「開発部の高橋さんです」

「へぇー、開発!すごいなあ」

店長が物珍しげにちょっと嬉しそうに笑う。


その横で高橋さんはすでに売り場に向かっていた。
ファンデーション棚の前で、腕を組んで立ち止まる。

彼の視線が動く。

テスター、価格帯、什器の幅、色番号。

…完全に、売り場をスキャンしている。


店長が小声で尋ねてくる。

「研究かなにか?」

「ですね。たぶん、あれは研究です」

だんだん慣れてきた彼の営業先での動きに、私ももう動じない。


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