この恋、予定外。
合間に私は店長と売り場の話をする。

「先月入れてもらったBBクリーム、動きどうですか?」

店長は迷うことなくすぐ棚を見た。

「あー、これね。悪くないよ」

「ほんとですか?」

「若い子が結構持ってくんだよ。あと昼休みのOLさん」

私はメモ帳を取り出して、すぐに書き込む。

「価格、このままで大丈夫そうですか?」

「うん、このゾーンは動きいいからね」

そのまま店長が棚の中段を指さす。

「ここはね、だいたい千二百円から千五百円が一番出る」

やっぱりそうですよね、と私はうなずき、またメモを取っていた。

店長との軽快な会話の途中、高橋さんがふと「森川」と呼んできた。

「はい?」

「この棚、来月変わると思う」

思わぬ言葉が聞こえてきたので、私は彼のいる棚に近づく。後ろから店長もついてきた。

高橋さんは下段のスペースを指していた。
すぐに店長が首をかしげる。

「え?ここ、変わるの?」

高橋さんはテスターを手に取りながらうなずいた。

「このブランド、色が増えると思います」

私と店長は揃って棚を見た。
言われてみれば、たしかに少しだけ空きがある。

店長がちょっと腑に落ちないような顔で腕を組んで考える。

「うーん、まだなにも聞いてないなぁ」

高橋さんはあっさり言った。

「来ます」

「なんで分かるんですか?」

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