この恋、予定外。
••┈┈┈┈••

夜のオフィスは、昼とは別の場所みたいに静かだった。

営業フロアもだいぶ人が減っている。いや、もうほぼいないと言った方がいいかもしれない。


私はデスクで外回りの報告をまとめていた。

ドラッグストアの棚の写真。
売れ筋の価格帯。
店長の話。

今日のうちにまとめておかないと、明日また外回りだから間に合わない。


「森川ー」

朝と同じテンションのけだるそうな声に顔を上げると、案の定、高橋さんが立っていた。

「まだやってんの?」

「外回り報告です」

「それ営業のやつ?」

「はい」

高橋さんは少し考えてから、くるりと背中を向けた。

「それ、こっちに持ってこい」

「え?」

こちらのペースを気にすることなく、どんどん先へ行ってしまう。
急いで散らかっていたデスクのものを両手に抱えて、彼を追いかけた。


普段ほとんど入ることのない、商品開発部のデスクエリアだった。

営業フロアの奥にあるスペースで、独特の雰囲気がある。
試作ボトルや色見本が棚に並んでいた。
それらをなんとなく眺めていたら、また「森川ー」と呼ぶ声が聞こえて我に返る。


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