この恋、予定外。
••┈┈┈┈••

それから数日。

朝の空気にも、オフィスの音にも、少しずついつもの感覚が戻ってきていた。
─────戻ってきている、はずだった。


何もなかったように過ごして、ちゃんと仕事もこなして、ちゃんと寝て、ちゃんと走って。

それでも、完全には戻らなかった。



駅から少し歩いた場所にある、若い女性で賑わうバラエティショップ。

自動ドアが開いた瞬間、空気が変わった。
明るい。近い。賑やか。

ドラッグストアの整然とした棚とは違う、色と情報が詰め込まれた売り場。
人の気配が濃い。

ポップや手書きの説明、ランキング表示。

“選ばせる”というより、“目を引く”ための空間。


「……すごっ」

思わず漏れた声を、私はすぐに飲み込む。


横を見ると、高橋さんはもう棚を見ていた。

視線だけが動いている。
テスター、価格帯、什器、色の並び、全部を確認しているような。

「行くぞ」

短い一言。


私はうなずいて、女性スタッフに声をかけた。

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