この恋、予定外。
••┈┈┈┈••
気づけば、フロアの空気が少し変わっていた。
電話の数が減って、話し声もまばらになる。
窓の外は、いつの間にか色を落としていた。
画面に並ぶ数字を見ながら、私は一度だけ肩を回す。
同じ姿勢で座り続けていたせいで、背中が固まっている。
「森川さん、03番の追加、通りました」
佐野が向こう側のデスクから声をかけてきた。
「どの便?」
「最短で、夜出荷です」
「…ギリだな」
最後の言葉は、佐野に聞こえないようにつぶやいた。
間に合うかどうかは、もう“運”の領域に片足突っ込んでいる。
それでも、やるしかない。
「他の色、再配分できる?」
「あっ、はい。いま見てます」
「回転早いところ優先で振ってくれる?偏り出ないように」
「分かりました」
捨てきれない不安と戦いながら、でもそれを後輩に感じ取らせまいと踏ん張る。
そうしていても、画面の数字がほんの少しだけ、遠く感じる瞬間もあった。なんとか耐える。
画面に視線を寄せて、集中する。
ダブルチェックのため、もう一度、確認する。
なんとかする。
自分に言い聞かせるみたいに、キーボードを打っていく。
「…あ」
自分のミスに気づいて、小さく声が漏れる。
入力していた数値が、一桁ずれていた。
すぐに消して、打ち直す。
こんなの、普段なら絶対にしない。
気づけば、フロアの空気が少し変わっていた。
電話の数が減って、話し声もまばらになる。
窓の外は、いつの間にか色を落としていた。
画面に並ぶ数字を見ながら、私は一度だけ肩を回す。
同じ姿勢で座り続けていたせいで、背中が固まっている。
「森川さん、03番の追加、通りました」
佐野が向こう側のデスクから声をかけてきた。
「どの便?」
「最短で、夜出荷です」
「…ギリだな」
最後の言葉は、佐野に聞こえないようにつぶやいた。
間に合うかどうかは、もう“運”の領域に片足突っ込んでいる。
それでも、やるしかない。
「他の色、再配分できる?」
「あっ、はい。いま見てます」
「回転早いところ優先で振ってくれる?偏り出ないように」
「分かりました」
捨てきれない不安と戦いながら、でもそれを後輩に感じ取らせまいと踏ん張る。
そうしていても、画面の数字がほんの少しだけ、遠く感じる瞬間もあった。なんとか耐える。
画面に視線を寄せて、集中する。
ダブルチェックのため、もう一度、確認する。
なんとかする。
自分に言い聞かせるみたいに、キーボードを打っていく。
「…あ」
自分のミスに気づいて、小さく声が漏れる。
入力していた数値が、一桁ずれていた。
すぐに消して、打ち直す。
こんなの、普段なら絶対にしない。