この恋、予定外。
「もう、なにやってんの」
小さく吐き出した声が、自分でも少し荒い。
誰に向けたでもない、自分に向けた言葉が、口からこぼれ落ちる。
でもそのまま、指を止めずに打ち続けていた。
「森川さん」
デスクの向こうから、また佐野の声。
「どうしたの?」
尋ねたけれど、佐野は何か言いかけて、やめた気配がした。
たぶん、私の今の自分へのつぶやきを聞いたんだと思う。
一瞬だけ、空気が揺れるのが分かる。
「ごめん、私もいま入力ミスっちゃって」
いつもの感じで返したつもりが、佐野にはそう受け取れなかったらしい。
「…本当に、すみません」
さらに彼女の声は小さくなっていた。
私は手を止めないまま、言う。
「だから謝るのはいいって言ってるでしょ」
少しだけ、口調が強くなってしまった。
言ったあとで、ほんの一瞬だけ、目を閉じる。
─────ああ、今の。だめだ。最低。
分かってる。
今の言い方は、絶対によくない。
分かってるけど。
もう言ってしまったから、戻せない。
こういう経験も、何度もしてきた。
「……大丈夫だから。続けよう」
自分で自分を整えるみたいに、言葉を重ねる。
はい、とか細い返事だけが向こうから聞こえた。
小さく吐き出した声が、自分でも少し荒い。
誰に向けたでもない、自分に向けた言葉が、口からこぼれ落ちる。
でもそのまま、指を止めずに打ち続けていた。
「森川さん」
デスクの向こうから、また佐野の声。
「どうしたの?」
尋ねたけれど、佐野は何か言いかけて、やめた気配がした。
たぶん、私の今の自分へのつぶやきを聞いたんだと思う。
一瞬だけ、空気が揺れるのが分かる。
「ごめん、私もいま入力ミスっちゃって」
いつもの感じで返したつもりが、佐野にはそう受け取れなかったらしい。
「…本当に、すみません」
さらに彼女の声は小さくなっていた。
私は手を止めないまま、言う。
「だから謝るのはいいって言ってるでしょ」
少しだけ、口調が強くなってしまった。
言ったあとで、ほんの一瞬だけ、目を閉じる。
─────ああ、今の。だめだ。最低。
分かってる。
今の言い方は、絶対によくない。
分かってるけど。
もう言ってしまったから、戻せない。
こういう経験も、何度もしてきた。
「……大丈夫だから。続けよう」
自分で自分を整えるみたいに、言葉を重ねる。
はい、とか細い返事だけが向こうから聞こえた。