赫い滴と湿った吐息

第二話:虚飾の剥落、蹂躙される身体 2

​「……本当の自分を、見せてごらんなさい」

男の低い声が、喘ぐ少女の鼓動を無理やり掴み、恐怖と快楽の境界へと引きずり出す。

鼻腔を支配するのは、加熱された皮膚から立ち上る生々しい血の気と、濃厚な蜜の香。

視界に映る彼女の腹部は、激しい蹂躙に耐えるように波打ち、汗の雫を弾き飛ばした。

​「あ、は……っ、ん、ああぁっ!」

男の指先が、最も敏感な蕾を無慈悲に、しかし執拗に弾くと、彼女の背中が弓なりに反る。

耳朶を打つのは、粘膜が激しく撹拌される、ぐちゃりという淫らで濁った水音。

舌先に残る自身の乾いた唾液が、彼女の肌を這うたびに、鉄のような熱を男に与えた。

​「お、ねがい……もう、ゆる、して……っ」

少女の細い指先が、男の腕に食い込み、震えながら救いを求めるように縋り付く。

触れ合う胸元から伝わるのは、もはや言葉を介さない、野生の獣同士の激しい共鳴。

視覚を奪うほどの純白のシーツが、彼女の流した涙と蜜で、醜くも美しく汚れていく。

​「許しなど乞うな。お前は今、ただの『女』としてここにいる」

男の手が彼女の顎を強く固定し、焦点の合わない瞳を、自身の欲望の鏡として覗き込む。

掌に伝わる彼女の喉の震えは、絶頂の予感に震える小刻みな痙攣へと、加速度を増した。

遠くで、深夜のビル風が窓枠を叩き、カタカタと乾いた乾いた音を室内に響かせる。

​「あ、ぁ……っ! あ、あ、あああぁぁぁ!」

少女の意識が快楽の激流に飲み込まれ、その瞬間に彼女の矜持は、砂の城のように崩れた。

溢れ出す熱い奔流が、男の指を激しく濡らし、二人の間に漂う虚飾の壁を押し流す。

暗闇の中、彼女の虚ろな瞳に映ったのは、もはや「大学生」ではない、一匹の雌の姿だった。
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