冷徹宰相様の嫁探し
そんなマレーヌの話を聞いたレティシアは、
「ふうん。
そんなことがあったの。
やはり、これからは賢い女でないとね。
一応、王子が駄目だったときのために、何人かの貴族の坊ちゃんに近づいてはいたんだけどね。
そんな風に男次第の人生っていうのも面倒臭いなって思いはじめてたのよ。
ほら、色気で相手を振り向かせるのも労力いるから」
と言う。
私にはそのような技がそもそもないので、労力がいるかどうかもわからないのですけどね、
とマレーヌは少し寂しく思う。
「これからは自立した女も悪くないかな、と思って」
と言うレティシアの目は、受付でテキパキ指示を出しているシルヴァーナを見ていた。
貴族の令嬢らしさは失わない程度に、シンプルなドレス。
長い銀髪を邪魔にならないようまとめ髪にして働く姉は、ひいき目なしに格好いい。
「王立図書館なんて初めて来たけど」
ふふふふ、とレティシアは笑った。
人生の目標ができたという顔だった。
ちょっとうらやましいなと思ったとき、こちらを向いてレティシアは言った。
「あんたも頑張って」
「ありがとうございます。頑張ります」
と言いながらも、
なんか私の方は、頑張れば頑張るほど空回りしているような気もするんですけどね、
と思っていた。