クールな年下男子と、甘い恋を。
 嘘でしょう?
 冗談でしょう?

 痛みによるものか、焦りによるものか、変な汗が噴き出してきた。
 こんなの気のせいだ、そう思い込んで立ち上がる。
 でも、痛みに負けてよろけてしまった。

 慌てて近くにあった電柱を掴み、呟く。
「……嘘でしょう?」

 この足じゃ走るどころか、歩くことさえも難しい。

 それでも、行かなきゃ。
 漣里くんが待ってるのに。

 痛みに歯を食い縛りつつ、歩く。

「――っ」
 たった五メートルの距離しか進んでいないのに、左足が悲鳴をあげる。
 苦痛で顔が歪んで、汗が頬を滑り落ちていく。
 これじゃ、シャワーを浴びた意味がない。

 私は一体、何をしてるんだろう。
 視界がぼやける。

 ダメだ、泣くな。こうなったのは全部自分の責任だ。
 わかってるでしょう?
< 74 / 243 >

この作品をシェア

pagetop