クールな年下男子と、甘い恋を。
 ――笑えないよ。
 忙しそうなお父さんとお母さんを無視して、私は笑えない。
 そもそも、転んだのは完全に私のミスだ。

 どうしようもないほどの大きなミスをしたのは自分でしょう?

 そのとき、大きな音が夜の空気を震わせた。
 辺り一帯に響き渡るような音。

 ここからだと建物が邪魔をして見えないけれど、花火大会が始まったらしい。

 約束の時間は過ぎた。
 見れば、私の周りにはもう誰もいなかった。

 空になったコーヒーのカップが道端に転がっている。

 ――ああ、もうダメだ。

 限界に達して、私はその場にしゃがみ込んだ。
 ここまで引きずって歩いてきた左足首は、赤く腫れ上がっている。
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