クールな年下男子と、甘い恋を。
 着信音が鳴り始めた。きっと漣里くんだ。
 鞄からスマホを取り出す。

 表示されていたのは、やっぱり漣里くんの名前だった。
 応答ボタンを押して、耳に当てる。

「……もしもし、漣里くん?」
『いまどこ』
 問い詰めるような口調だった。
 怒っている、のだろうか。
 ズキンと胸が痛む。

「……ごめん」
『謝罪はいいから、いまどこか教えて』
「……川の近くの、桃山公民館の前。ミチ喫茶店のすぐ傍にある……」
『わかった。行く』
「ううん、いいよ。あの、実はね、さっき友達と偶然会っちゃって。自分のアパートで見ないかって誘ってくれてるの。ベランダから花火が見えるんだって」
『は?』
 これ以上ないほどの不機嫌な調子で返された。

 当たり前だ。
 遅刻した挙句、友達と会ったからって約束をドタキャンする女なんて最悪だ。

 私だったら許せない。
 今後の付き合いすら考えるだろう。
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