クールな年下男子と、甘い恋を。
 でも、それでいい。
 一年に一度の花火なんだから、漣里くんには楽しんでほしい。

 ここで助けを求めるのはダメだ。
 そんな我儘、許されるわけがない。

 電話の向こうからも、立て続けに花火の音がする。
 轟くような、大きな音。

「漣里くんは澪月橋にいるんでしょう? そこからなら、花火も綺麗に――」
『もういい』
 電話が切れた。

「…………」
 あまりにもあっけない幕切れだった。
 関係すら切られたかもしれない。

 連絡先を消されたって文句は言えない。
 それだけのことを私はしたんだから。
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