零班は落第寸前!――名門男子校は秘密のスパイ養成学校でした――
第六章「黒い封筒」
俺たちは赤い封筒を持って、南離れまで戻った。廊下を走るなと九条に言われたけど、半分くらいは走っていたと思う。火村は途中で一回すべりかけて、大河内に首根っこをつかまれて立て直されていた。
「猫かお前は!」
篠宮教官は、南離れの準備室みたいな部屋にいた。俺たちがノックもそこそこに飛びこんだら、教官は書類から目を上げて、まず俺たちの顔を見た。次に、俺の手にある赤い封筒を見た。
「まさか、零班が試験を終了させるとはな」
その後、第一試験は零班が成功させたということで、試験は終了となった。
一年生は全員寮に戻り、消灯の時間となった。
しかし、その日の夜中、廊下の向こうから、足音が聞こえた。もともと静かな学校なのに、その静けさの中で人の気配だけが増えていくのが、不気味だった。低い声が交わされる。扉は閉まっているのに、俺の耳には断片だけ届いた。
「……金庫」
「確認を」
「黒い封筒が――」
そこで声が遠ざかった。
俺は思わず顔を上げた。
「黒い封筒?」
「猫かお前は!」
篠宮教官は、南離れの準備室みたいな部屋にいた。俺たちがノックもそこそこに飛びこんだら、教官は書類から目を上げて、まず俺たちの顔を見た。次に、俺の手にある赤い封筒を見た。
「まさか、零班が試験を終了させるとはな」
その後、第一試験は零班が成功させたということで、試験は終了となった。
一年生は全員寮に戻り、消灯の時間となった。
しかし、その日の夜中、廊下の向こうから、足音が聞こえた。もともと静かな学校なのに、その静けさの中で人の気配だけが増えていくのが、不気味だった。低い声が交わされる。扉は閉まっているのに、俺の耳には断片だけ届いた。
「……金庫」
「確認を」
「黒い封筒が――」
そこで声が遠ざかった。
俺は思わず顔を上げた。
「黒い封筒?」