秘書ですがエリート社長に溺愛されています
その日の午後。

私は再び社長室に呼ばれていた。

「資料できたか」

「はい、こちらです」

 玲司はそれを受け取り、目を通す。

「……問題ない」

 そう言うと、私を見る。

「次の資料も頼む」

「もう一つですか?」

「ああ」

 玲司はさらりと言った。

「今日は残業になる」

私は苦笑した。

「分かりました」

夜。オフィスにはほとんど人がいなくなっていた。

私は社長室でパソコンを打っている。

玲司はデスクで書類を確認していた。

静かな時間。キーボードの音だけが響く。

「水瀬」

玲司が声をかけた。

「はい?」

「コーヒー飲むか」

私は少し驚いた。

「いえ、大丈夫です」

「遠慮するな」
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