秘書ですがエリート社長に溺愛されています
玲司は立ち上がり、コーヒーメーカーの方へ向かう。

「社長、自分でやるんですか?」

「お前は仕事してろ」

そう言いながら、二つカップを用意する。

やがてコーヒーの香りが広がった。

玲司はカップを差し出す。

「ほら」

「ありがとうございます」

受け取ると、ふっと温かさが伝わる。

玲司はそのまま私のデスクの横に立った。

「……忙しいか」

「少しだけ」

「無理するな」

「大丈夫です」

 そう言うと、玲司は少しだけ目を細めた。

「見合いの時間はあるのに、仕事の時間はないのか」

私は思わず笑ってしまった。

「まだ行くって決めてません」

「行くな」

即答。

「そんな簡単に言わないでください」

「簡単な話だ」
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