秘書ですがエリート社長に溺愛されています
玲司は腕を組む。

「お前は俺の秘書だ」

「そうですけど」

「秘書は社長のそばにいろ」

低い声。どこか命令のようだった。

私は少し困ってしまう。

「それ、仕事の話ですよね?」

「……どうだろうな」

玲司は小さく笑った。

私は思わず顔を赤くする。

その様子を見て、玲司は言った。

「とにかく」

 私の椅子の背に手を置く。

「お前はここにいればいい」

 顔が近い。

「俺のそばに」

 胸が大きく鳴った。

社長室の灯りは、もうほとんど消えていた。

夜のオフィスは驚くほど静かだ。

昼間の喧騒が嘘のように、広いフロアには誰の気配もない。

私はパソコンの画面から目を離し、小さく息をついた。
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