秘書ですがエリート社長に溺愛されています
「答えろ」

低い声だった。

けれど、その中に強い感情が混じっている。

「分かりません」

私は視線を落とした。

「でも……いつかは結婚も」

そこまで言った瞬間だった。

ぐっと腕を引かれる。

「え……」

気づけば、私はソファーの上に座らされていた。

玲司の腕が、すぐ横にある。

逃げ場がない。

「社長……?」

玲司の表情は、いつもと違っていた。

落ち着いた社長の顔ではない。

どこか、抑えていたものが崩れたような顔。

「……他の男のものになるなら」

 低い声が落ちる。

「今、俺のものにする」

 息が止まりそうになった。

「社長、そんな……」

「玲司だ」

 すぐ近くで言う。

「今は社長じゃない」

 胸が激しく鳴る。
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