秘書ですがエリート社長に溺愛されています
ソファーに横になった美咲は、まだ胸の高鳴りが収まらなかった。

玲司はその隣に座り、美咲の頭をそっと自分の膝に乗せる。

いわゆる膝枕だった。

 大きな手が、美咲の髪をゆっくり撫でる。

「……ひどい」

 美咲は小さく呟いた。

「なにがだ」

 玲司は落ち着いた声で返す。

「これじゃあ、お見合いなんてできない」

 その言葉に、玲司はふっと笑った。

「する必要ないだろう」

指先で髪をすくいながら言う。

「美咲」

低く名前を呼ぶ。

「俺と結婚すればいい」

その言葉に、美咲の胸がぎゅっと締めつけられた。

突然すぎる出来事。

そして、突然奪われた距離。

気づけば、美咲の目から涙がこぼれていた。

玲司はその涙を見て、手を止める。

「……泣くな」

そう言うと、もう一度優しく髪を撫でた。
< 30 / 57 >

この作品をシェア

pagetop