秘書ですがエリート社長に溺愛されています
「警備員が来たら面倒だ」

 そう言いながら、額を合わせてくる。

 胸がまた早くなる。

 夜の社長室で、私たちはしばらく何も言わずに抱き合っていた。

翌日。

 秘書課のデスクで仕事をしていると、田中さんが声をかけてきた。

「水瀬さん」

「はい?」

「この前のお見合いの件なんだけど」

 私は少し身構えた。

「どうする?」

 私は小さく息を吸う。

「お断りします」

 田中さんは少し驚いた顔をした。

「本当に?」

「はい」

 私ははっきり言う。

「今はその気がありません」

 田中さんは少し考えてから言った。

「でもね、相手の方がかなり乗り気なのよ」

「え?」

「あなたの写真を見て、ぜひ会いたいって」

 私は困ってしまう。

「でも……」
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