秘書ですがエリート社長に溺愛されています
低く、はっきりした声。

「美咲の心も」

 私の肩を引き寄せる。

「俺のものだって」

その言葉には、はっきりした挑戦が込められていた。

副社長は腕を組んだまま、しばらく玲司を見ていた。

 そして、ふっと笑う。

「へえ」

 少し感心したような声。

「年下の従兄弟だと思ってたけど……やるじゃないか」

 玲司は何も言わない。

 ただ、私の肩を抱いたまま副社長を見据えている。

 副社長はその様子を面白そうに眺めていた。

「でもさ」

 軽く言う。

「俺も美咲さんのこと、気に入った」

 私は思わず息を呑む。

「副社長、それは……」

 言いかけた私の言葉を、副社長は手で止めた。

「だから」

 さらりと言う。
< 42 / 57 >

この作品をシェア

pagetop