秘書ですがエリート社長に溺愛されています
私はそっと声をかけた。

「玲司……」

 玲司が振り向く。

 その目に、さっきまでとは違う光が宿っていた。

 静かな炎。

 そうとしか言えない強い意志。

「美咲」

 低く名前を呼ぶ。

「見合いは行け」

「え……?」

 私は驚いた。

玲司はゆっくり近づいてくる。

「その代わり」

 私の手を取る。

 そして真っ直ぐ言った。

「俺が壊す」

「玲司さん……」

その背中は、今まで見た中で一番大きかった。
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