魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
(哀れだな……)

そんな感情もシャルレーヌに会えば変わるのだろうか。
異変はこれだけでは止まらなかった。


次の日の夕方、ボロボロな従者と共に謁見へ。

ひどい目にあっているのだからどうにかしろと言われているようだ。
シャルレーヌから罰を受けたのかと考えたが、間近で見ると明らかに魔法で傷つけられているとわかる。

(アナベルかエマニュエルあたりか……? まったくくだらない)

彼女たちは知らないのだ。
モルガンの魔法でとっくに本性が暴かれていることに。

けれど今は知らないフリをしている。
朝食を共にした時に被った仮面。それを見るたびにに吐き気がしていた。
ナタリーも魔法研究に没頭しているだけで、さして王妃の座に興味がない。
恐らくベアトリスが一番まともだろう。
こういう裏表を見抜けないから皇族は無益な争いを繰り返していたのではないかと思っていた。

彼女はサンドラクト王国出身とは思えないほどに淑やかな王女だった。
大臣たちは暇つぶしか、魔法を使えない王女を嘲笑いに来たのだろうか。
しかしシャルレーヌの柔らかな笑顔に、大臣たちはすっかり虜になっている。

(……思ったよりも小柄だな。サンドラクト国王があそこまで言う人物にはとても思えない)
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