人形姫と秘密のお役目 -1-
宣誓布告
 転入してから、数日が経った。

 教室の空気にも、少しだけ慣れてきた頃。

 午後の時間は、どこか緩んでいる。

 前の席に座ったまま、私は静かに頬杖をつく。


「澪ちゃん、次体育だよ。バドミントンやるって」

「……うん」


 隣からつむぎの声が落ちてきて、少しだけ顔を向ける。

 最初に声をかけられた日よりも、その距離はずっと自然になっていた。

 気づけば、こうして当たり前のように話しかけられている。


「ねぇ、ばどみんとん? ってどういうの?」


 そう聞くと、つむぎが一瞬だけ目を丸くする。


「え、そこから? ……ラケットっていうの使って、羽みたいなの打ち合うの」

「……羽」

「シャトルっていうんだけどね。軽いから、結構飛ぶよ」


 私は小さく頷きながら、腕の中の人形を抱き直す。
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