人形姫と秘密のお役目 -1-
 周囲がそれぞれペアを作り始める中、つむぎがこちらを振り返る。


「澪ちゃん、一緒にやろっか」

「うん」


 特に迷うこともなく頷く。

 つむぎは少しだけ距離を取り、ラケットを軽く構えた。


「たぶんね、そんな難しくないよ。あの羽を打ち返すだけ」


 指差す先には、白いシャトル。


「落としたら負け、みたいな感じ。とりあえず返せば大丈夫。変に力入れなくていいから、当てるだけでいいよ」


 そう言いながら、つむぎがシャトルを指先で持ち上げる。


「最初はゆっくり投げるね」

「わかった」


 短く答え、ラケットを構えたそのとき。


「ねぇ」


 不意に、横から声が落ちてくる。

 振り向くと、数人の女子がこちらを見ていた。

 その中心にいる一人が、一歩前に出る。


「夜桜さんだよね」

「うん」

「ちょうどさ、相手いなくて困ってたんだよね」


 にこやかに話す彼女。
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