人形姫と秘密のお役目 -1-
「これ、よろしく。ユウマ」

「蒼真です」


 すばやく訂正が入る。

 そのまま人形を受け取りながら、表情がわずかに引き締まる。


「……やるんですか?」

「うん」

「目は……どうするんですか。危ないのでは?」


 低く、抑えた声。

 周囲に聞こえないように。


「使う。だから預ける」


 一瞬で、蒼真の顔色が変わった。


「……っ、さすがにそれは――」

「確認したいことがあるの。お父さん──当主様が私に調査をさせるためにこの学園に派遣させた。そろそろ行動しないとでしょ?」


 その一言で、言葉が止まる。

 蒼真は何かを言いかけて、結局口を閉じた。


「……無茶はしないでくださいよ」

「しない」


 そう返して、前へ向き直る。

 コートの向こう側。

 ラケットを軽く回しながら、こちらを待っている女子。

 その視線と、まっすぐに向き合う。


「時間は3分間。じゃあ、行くよ──」
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