人形姫と秘密のお役目 -1-
濃い場所だけを選び取るように、力加減を調整しながらシャトルを打ち返す。
そのたびに、空間の一部がわずかに軽くなる感覚があるのに、すぐに別の場所から補われるように、もやは形を保ったまま広がり続けていた。
(……終わらない)
むしろ、こちらの動きに反応するように、濃い部分がわずかに集まり始めている。
視界の端で揺れていた黒が、さっきよりも密度を増しているのが分かる。
じわり、と空気の圧が強くなる。
呼吸がわずかに重くなる。
それでも、手は止めない。
濃いところを、優先して削る。
勝敗はもう、頭から外れていた。
点がどうなっているのかも、相手が何を狙っているのかも、意識の外に追いやられている。
ただ、打つたびに削るのを繰り返す。
そのたびに、空間の一部がわずかに軽くなる感覚があるのに、すぐに別の場所から補われるように、もやは形を保ったまま広がり続けていた。
(……終わらない)
むしろ、こちらの動きに反応するように、濃い部分がわずかに集まり始めている。
視界の端で揺れていた黒が、さっきよりも密度を増しているのが分かる。
じわり、と空気の圧が強くなる。
呼吸がわずかに重くなる。
それでも、手は止めない。
濃いところを、優先して削る。
勝敗はもう、頭から外れていた。
点がどうなっているのかも、相手が何を狙っているのかも、意識の外に追いやられている。
ただ、打つたびに削るのを繰り返す。