人形姫と秘密のお役目 -1-
 顔を上げると、蒼真が人形を差し出していた。


「どうぞ。預かっていたものです」


 人形を受け取ると、指先に馴染む重さを確かめるように優しく抱え込む。


「……それで、目を使ってみてどうでしたか? 霊力、使って払っていましたよね」


 続けて、蒼真が口を開く。

 声は抑えられているが、視線は真っ直ぐこちらを見ている。


「……試合になっていなかったですし。澪様がその気になれば勝てたはずです。なにか、やばいのが見えたのでは」


 確信に近い言い方。

 見えてはいなくても、感じ取っている。

 私は一度だけ視線を落とし、人形の頭を軽く撫でたあと、顔を上げた。


「……うん。だけど、これはほかの仲間の前で言ったほうがいいと思うの」


 短く、肯定する。

 それ以上は、言わない。


「今度、ほかの陰陽師たちが集まって会議するときがあるでしょう? その時に話そうと思う」


 それだけ告げる。
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