人形姫と秘密のお役目 -1-
俺の父、月城家の当主には報告はしたが進展がなく全てが謎に包まれたままだ。
そして桜が散り、緑が増え始めていく頃にその子はやってきた。
教室の扉が開き、担任に連れられて入ってきた少女に、空気がわずかに揺れた。
淡いクリーム色の髪。
大切そうに抱えられたうさぎの人形。
閉じられたまぶた。
その姿を見た瞬間、胸の奥が妙にざわついた。
(……どこかで、見たことがある?)
そんなはずないのに、そう思ってしまう。
視線が勝手に引っかかる。
理由は分からないのに目が離せない。
暗闇の中で一瞬だけ見えた赤い光。
幼いときに助けられた記憶と、最近助けられた新しい記憶。
顔はよく見えなかったが、記憶のなかの少女と今、目の前の少女がどこかで繋がっている気がした。
***
──あの子がこの学園に転校してきてから、数日が経った。
同じ教室で授業を受け、同じ時間を過ごしていても、どこか現実味が薄い。
そして桜が散り、緑が増え始めていく頃にその子はやってきた。
教室の扉が開き、担任に連れられて入ってきた少女に、空気がわずかに揺れた。
淡いクリーム色の髪。
大切そうに抱えられたうさぎの人形。
閉じられたまぶた。
その姿を見た瞬間、胸の奥が妙にざわついた。
(……どこかで、見たことがある?)
そんなはずないのに、そう思ってしまう。
視線が勝手に引っかかる。
理由は分からないのに目が離せない。
暗闇の中で一瞬だけ見えた赤い光。
幼いときに助けられた記憶と、最近助けられた新しい記憶。
顔はよく見えなかったが、記憶のなかの少女と今、目の前の少女がどこかで繋がっている気がした。
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──あの子がこの学園に転校してきてから、数日が経った。
同じ教室で授業を受け、同じ時間を過ごしていても、どこか現実味が薄い。