人形姫と秘密のお役目 -1-
空気がわずかに張り詰める中、私は静かに立ち上がり、人形を抱き寄せた。
「……すぐ準備して行く。外で待ってて」
「御意」
蒼真は短く答え、一礼をすると、素早く部屋から出ていった。
御札を数枚持ち、人形を抱えて外へ出ると、夜の空気が肌に触れた。
ひんやりとしているのに、どこか重い。
息を吸うたびに、胸の奥にざらついた感覚が残る。
(……空気が重く、穢れている)
私は人形を抱き直し、歩き出す。
隣には蒼真。
少し前を行きながら、周囲を警戒するように視線を巡らせている。
「場所は?」
「東の林の先です。桜丘学園から、数キロほど」
「そう」
短く返しながら、私は足を速めた。
夜道は暗い。
けれど、人形越しに映る世界は、それ以上に曖昧だ。
輪郭は滲み、距離はわずかにずれる。
足元を確かめるように、一歩ずつ進む。
「……そうや」
「蒼真です」
「……すぐ準備して行く。外で待ってて」
「御意」
蒼真は短く答え、一礼をすると、素早く部屋から出ていった。
御札を数枚持ち、人形を抱えて外へ出ると、夜の空気が肌に触れた。
ひんやりとしているのに、どこか重い。
息を吸うたびに、胸の奥にざらついた感覚が残る。
(……空気が重く、穢れている)
私は人形を抱き直し、歩き出す。
隣には蒼真。
少し前を行きながら、周囲を警戒するように視線を巡らせている。
「場所は?」
「東の林の先です。桜丘学園から、数キロほど」
「そう」
短く返しながら、私は足を速めた。
夜道は暗い。
けれど、人形越しに映る世界は、それ以上に曖昧だ。
輪郭は滲み、距離はわずかにずれる。
足元を確かめるように、一歩ずつ進む。
「……そうや」
「蒼真です」