人形姫と秘密のお役目 -1-
(仲介に入ったほうがいいか……?)


 そう思い、一歩踏み出したとき。


「……いいよ、やっても」


 まるで、「自分が話に乗れば丸くなる」と思っているかのようなタイミングであの子は誘いを了承した。

 朝比奈が「えっ」と目を丸くする。

 その様子を見ながら、俺は無意識に少女へ視線を向ける。

 相変わらず表情は薄い。

 でも、ほんの少しだけ。

 あの閉じた瞼の奥で、何かを見ているような気がした。 
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