夏恋セッション
凪はクレープを買った向日葵に声をかける。バナナとキャラメルのクレープを手にした向日葵は、凪の持っているラムネを見つめる。

「ど、どうかした?」

凪が緊張しながら訊ねると、向日葵はゆっくりと口を開く。

「喉渇いたな」

「えっ?」

向日葵は水筒などは持って来ていない。凪はラムネを差し出す。

「これ飲む?」

「いいの?」

向日葵に訊かれた数秒後、凪はこのラムネに自分が口をつけたことを思い出した。途端に顔が真っ赤に染まる。

(待て待て待て!これって間接キスになっちゃう!)

向日葵がラムネを受け取ろうと手を伸ばす。すぐに凪は「ストップ!!」と大声を出して止めた。

「これ、俺一口飲んじゃったから代わりのやつ買ってくるよ!」

向日葵の言葉も聞かず、凪はラムネを売っている出店へと走る。顔中が熱い。喉がどんどん渇いていく。

(デートって刺激強すぎだろ!)

中学生の頃、「デートしたぜ!」と話していた目立つ生徒のことを思い出し、凪は叫び出したくなる。まだデートは始まったばかりだが、ドキドキさせられっぱなしだ。
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