あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語
そんなことが何度も重なるうちに、私は自分でも厄介な変化に気づき始めていた。

朝、出社してまず彼の予定を確認してしまう。

会議の席で彼が発言すると、内容だけでなく声の調子まで意識してしまう。

他の女性社員と話しているのを見ると、ほんの少しだけ胸がざわつく。

「……まさかね」

誰もいない給湯室で、私は小さく呟いた。

恋愛なんて、もう長いこと自分の人生の外に置いてきた。

今さら年下の部下に心を動かされるなんて、冗談じゃない。

しかも私は四十二歳で、彼は三十五歳。

立場だってある。そんな感情を持つこと自体、馬鹿げている。

そう思うのに、気持ちは理屈どおりにはいかなかった。
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