あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語
翌朝、目が覚めたとき、私はしばらく自分がどこにいるのか分からなかった。

白い天井。静かな部屋。隣に残るぬくもり。

昨夜の熱が夢ではなかったことを思い出した瞬間、胸がきゅっと締まる。

私はそっと身を起こし、眠る恒一の横顔を見た。

穏やかな寝息。長い睫毛。

昨夜あれほど情熱的だった男とは思えないほど静かな表情。

その顔を見ているだけで、また胸の奥が熱を持つ。

「……だめね、私」

小さく呟いて、私は視線を逸らした。

こんなの、どう考えても一夜の過ちだ。

誕生日で、寂しくて、気持ちが溢れて、流されてしまった。

彼が優しかったから余計に忘れられなくなるだけで、本当はここで終わりにしなくてはいけない。
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