あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語
「送ります」

駅に着いても、彼は当然のように言った。

「大丈夫よ」

「大丈夫じゃないです」

「……何が?」

「一人で帰したくない」

その答えがあまりにも真っ直ぐで、私はもう目を逸らすしかなかった。

一夜きりで終わるはずだった。

終わらせるつもりだった。

なのに恒一は、昨夜を一瞬の過ちにはしてくれない。

それどころか、以前より近く、以前より甘く、まるで最初からそうするつもりだったみたいに私の隣へ入り込んでくる。

そしてそんな彼を、私はもう拒めない。

嬉しいと思ってしまう。

今夜も一緒に帰れることに、心のどこかで期待してしまう。

それが、たまらなく危険だった。

けれど同時に、どうしようもなく幸せでもあった。
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