あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語
私は目を見開いた。

恒一は、そのまま私の頬にそっと触れる。

さっきまでの強さとは逆に、指先は驚くほど優しかった。

「ずっと前から、あなたを見てました」

「……え?」

「最初に会った日から、仕事のできる人だと思った。でもそれだけじゃなかった」

彼は少し苦い笑みを浮かべる。

「強くて、綺麗で、誰にも弱さを見せないくせに、時々ひどく寂しそうな顔をする。あんな顔を見せられて、放っておけるわけがない」

私は言葉を失った。

そんなふうに見られていたなんて、思いもしなかった。

「近づいたのも、あなたの右腕になりたかったのも、全部本気です」

恒一の瞳は真っ直ぐだった。

「仕事だけじゃない。あなたの隣に立ちたかった。あなたが一人で頑張りすぎるたび、俺が支えたかった」
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