あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語
その言葉に、胸の奥がじわりと熱くなる。

「欲しいのは、あなたです。強くて、綺麗で、仕事に本気で、でも時々ひどく寂しそうな顔をするあなた。そういう全部を知ったうえで、俺はあなたと未来を作りたい」

私はもう、何も言えなかった。

ずっと、自分は一人で生きていくのだと思っていた。

仕事で成功することが、私の人生の証になるのだと信じていた。

もちろんそれは間違いじゃない。

私は仕事を愛しているし、ここまで積み上げてきたものを誇りに思っている。

でも、それだけでは届かない場所があることも知ってしまった。

誰かの腕の中で名前を呼ばれること。

帰る場所があること。

子どもが欲しいという願いを、恥ではなく未来として受け止めてもらえること。

それは私が弱くなったからではない。
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